利用者さんやご家族への言葉遣いで押さえておくべきポイント

介護現場での言葉遣いで、押さえておくべきポイントは4つある。
まず1つめは、利用者さんを敬う気持ちを持つことだ。介護サービスの利用者さんは、さまざまな経験を積んだ人生の先輩である。そのため、丁寧な言葉遣いで話すことはもちろんだが、敬いの気持ちを示し尊重することが大切である。敬う気持ちを持っていると、言葉遣いにも自然と反映されることが多い。

2つめのポイントは、柔らかい表現を心掛けることだ。
敬う気持ちを込めて敬語で接することは大前提だが、堅苦しい印象を与えないためにも「申し訳ないのですが」などの言葉を添えると良い。「そろそろ移動しましょう」といった呼びかけも、優しい印象になる言葉といえる。

3つめは、利用者さんに対して上から目線にならないことだ。
いくら自分たちの介助を必要としているからと言って、利用者さんはお客様であることを忘れてはならない。敬意を忘れず、「○○してあげます」「○○しなさい」など偉そうな表現にならないよう注意すべきである。また、利用者さんのご家族に対しても同様に、上から目線で接することは禁物だ。ご家族から呼び止められていろいろと話す機会があるときも、上から目線や失礼な物言いにならないように、利用者さんと同じく敬意を持って接する必要がある。

4つめのポイントは、利用者さんに対して過度な行動を制限しないことだ。
もちろん施設のルールはあるが、「○○してはいけません」など、理由も聞かずに利用者さんを制限するような言葉遣いは尊厳を傷つけることになりかねない。まずは「どうされましたか?」と利用者さんの言動の原因を確認し、尊重しながら対応することが必要である。